はじめに
長く愛用している腕時計、ふと見ると「汚れてきたかも…」と感じたことはありませんか?
特に、ブレスレット部分は肌に直接触れる時間が長いため、皮脂や汗・ホコリなどが少しずつ蓄積していきます。
毎日のケアとして柔らかいクロスで拭き取るだけでも一定の効果はありますが、それだけでは取り切れない汚れもあります。
そんな時に役立つのが、自宅で簡単にできるクリーニング。
ブランドの腕時計や機械式時計など、大切な一本を清潔かつ美しく保つために、正しい洗浄方法を知っておくことが大切です。
腕時計の自宅クリーニングは可能?洗える部分と洗えない部分
まず知っておきたいのは、「自宅で洗浄できるのは金属ブレスレットのみ」という点です。
〇 洗浄できる部分
金属ブレスレット(ステンレススチールなど)
✕ 洗浄してはいけない部分
時計本体(ケースや内部)
革ベルト(変色や劣化の原因になります)
防水性に不安がある古いモデル
防水仕様の腕時計であっても、内部にわずかな水分が浸入することで、錆び・ムーブメントの故障などを引き起こす可能性があります。
そのため、金属ブレスレットは取り外してから洗浄することが大前提です。
洗浄のタイミング|こんな症状が出たらクリーニングを
以下のような状態になった場合、腕時計のブレスレットを清掃する時期かもしれません。
・袖口が黒ずむ、手首に黒い汚れがつく
・皮膚に赤み・痒みの症状が出る(汚れや金属アレルギーの可能性)
こうした汚れを長期間放置すると、錆びや劣化、臭いの原因にもなります。
清潔に保つことで、見た目も使い心地も大きく改善します。
洗浄頻度は?どれくらいのペースで行うべき?
日常的に使用している場合は、1~2ケ月に一度を目安に金属ブレスレットをクリーニングするのが理想です。
夏場、汗をかきやすい季節、スポーツ時に着用した後などは、汚れが蓄積しやすいため月1回程度を目安にすると清潔に保てます。
自宅で腕時計を洗う前に|金属の種類とバネ棒外しの注意点
金属素材に注意
重曹を使った洗浄方法は便利ですが、すべての金属に適しているわけではありません。
特に以下の素材は注意が必要です。
・加工・塗装がある金属
・金メッキや、金属の表面に硬くて傷に強いコーティングが施されたPVD加工のブレスレット
<余りパーツでお試し>
時計購入時に調整で余ったコマ(パーツ)を使って事前に試すと安心です。
バネ棒外しの基本構造
ブレスレットを外すには、「バネ棒外し」という専用工具が必要になります。

※(イメージ)バネ棒外し
バネ棒外しの基本構造
Y型(ラグに穴がないタイプ用)…片方がYの形で二股になっている
I型(ラグに穴があるタイプ用)…片方がIの形で細長い棒になっている
タイプ別の外し方
ラグに穴がない場合はY型、ラグに穴がある場合はI型を使用します。
また、磁石付きの工具は精度を狂わせる「磁気帯び」の原因になるため避けましょう。
※誤ってドライバーなどで外そうとした場合、時計を傷つけてしまう恐れがあるためNGです。

<参考:一般社団法人 日本時計協会>
バネ棒外しで時計本体とブレスレットを分離させると、ブレスレットに隠れたケース部分などの内側に溜まった汚れを掃除することができます。
【重曹で簡単】自宅での金属ブレスレット洗浄方法
それでは、取り外した金属ブレスレットを重曹で簡単に洗浄する方法をご紹介します。
用意するもの
・ぬるま湯
・重曹(掃除用・小さじ1~2杯)
・容器(ブレスレットが浸かる大きさ)
洗浄ステップ
1.容器にぬるま湯を入れ、重曹を溶かす
2.分離させた金属ブレスレットを10~15分ほど浸す
3.汚れが浮き出るのを確認(必要に応じて追加で5分程度)
4.流水ですすぎ、乾いた布で水分を完全に拭き取る
5.水気が完全になくなったら、元のようにブレスレットを取り付ける
ポイント
水分がコマの隙間に残らないよう、タオルやブロアーで丁寧に乾燥させましょう。
セルフクリーニングのリスクとプロ依頼の重要性
自宅での洗浄はコストが抑えられ、洗浄方法もそれほど難しくはありません。
しかし、自宅での洗浄にはリスクが伴い大きなダメージになる可能性もあります。
以下のリスクを理解したうえで判断することが大切です。
【主なリスク】
工具での傷…バネ棒の扱いを誤ると、ケースやラグに傷がつく場合も
水分残り…完全に乾燥させなければ、錆びや腐食の原因に
被対応素材への重曹の使用…表面加工のはがれ、変色のリスクもあり
⦅こんな方は、プロによるクリーニングを依頼するのが安心です⦆
・ブランドの腕時計、機械式時計をお持ちの方
・時計の構造に詳しくない方
・過去に分解や組み立てで失敗した経験がある方
このような場合、ご自身でのメンテナンスにはリスクが伴います。
大切な時計を長く安全に使い続けるためにも、専門の技術をもつプロに任せることをお勧めします。
時計専門店では超音波洗浄や専用の乾燥設備を活用し、時計の構造や素材に合わせた最適なクリーニングが行われます。
素人では難しい細部の汚れもしっかり除去できるため、見た目の美しさだけでなく長期的なコンディション維持にも効果的です。
まとめ
腕時計の金属ブレスレットは、自宅でもクリーニングが可能ですが、「素材の確認・丁寧な準備・徹底した乾燥」がなによりも重要です。
しかし、大切な高級時計や思い出の詰まった一本であれば、無理をせずプロの時計技士に依頼することがベストです。
セルフクリーニングは、時計への理解を深めるきっかけにもなります。
適切なケアで、時計をいつまでも美しく保ちましょう。
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