〝時計の基礎を知ることからはじまる楽しみとポイント〟時計の基本知識

時計のケース 基礎知識
基礎知識

はじめに

高級腕時計はただ時間を知るための道具ではなく、持つ人のセンスや人柄をさりげなく映し出すアイテムでもあります。
特に、ビジネスシーンでは「名刺代わりの一本」と呼ばれることもあり、第一印象に影響を与えることも。

今はスマートフォンで簡単に時間を確認できる時代ですが、だからこそ、時計を身につけることの意味や楽しさに気づくきっかけにもなり、少しでも時計の知識を持つことで、その魅力や奥深さに触れることができます。

腕時計のスペックを左右する基本項目

腕時計を選ぶ際には、デザインやスタイルはもちろん機能性や精度、ブランドの信頼性など多くの要素が関わってきます。人によっては、価格帯や着け心地といった実用面を重視することもあるでしょう。
そうした多角的な視点を持ちながら「基本スペック」への理解を深めることで、自分にとっての〝決め手〟がより明確になってくるはずです。

今回は数あるスペックの中でも、防水性能、ケース&ブレス素材、ムーブメントの振動数という3つのポイントにフォーカスし、時計選びのヒントをお届けします。

防水性能

腕時計はケースやリューズ、パッキンなどにさまざま工夫を凝らして防水性を確保してあります。
防水性能は、時計を使用するシーンを大きく左右する重要なポイント。
「○気圧」「○m防水」などで表記されていますので、用途に合わせてチェックしておきたい項目です。

日常生活防水「3~5気圧(30~50m)防水」

小雨の中で傘を差して歩く、うっすら汗をかく、洗顔時の水しぶきなどに耐えられる程度。
スーツに合う薄型ドレスウォッチなどに多く採用されます。
※「30m防水」と記載があっても、実際に30m潜水できるわけではありません。

10気圧防水(100m防水)

軽い水遊びやフィッシング、ボートなどのマリンレジャーに対応可能ですが、水泳やダイビングなど大きな水圧がかかるシーンには不向きです。
高級感とスポーティさのバランスが取れているためよく使われるモデルで、軽くて街中でも使いやすいのが特徴です。

20気圧防水(200m防水)

水泳やサーフィン、ダイビングにも対応する本格派。
裏蓋やリューズがネジ込み式で構造もしっかりしているので、日常生活からアウトドア、マリンスポーツまで幅広いシーンで活躍します。​

30気圧以上の防水(プロダイバー向け)

30気圧以上の防水性能を持つプロダイバー向け腕時計は、過酷な海中環境でも信頼できる高い耐久性が魅力。
深海での潜水や水中作業にも対応し精密な時間管理が可能で、ダイバーズウォッチに多く見られます。
堅牢なデザインとプロ仕様の機能性が魅力です。

ケース&ブレスレット素材

ステンレススチールをはじめ超軽量のチタンなど、見た目や着け心地に大きく影響するのがケースやブレスレットの素材です。

ステンレススチール(SS)

最も一般的な素材で、鉄にクロムやニッケルなどを混ぜた高硬度な合金素材です。
錆びにくく丈夫で、高級感と実用性のバランスに優れています。

チタン

比重がSSの約6割と軽量で、アレルギー耐性もあり着け心地が非常に良いのが特徴。
スポーツモデルにもドレスモデルにも使われます。

ゴールド(18K)

高級腕時計に多く用いられるゴールド素材は、通常純金(24K)ではなく、耐久性を高めるために銅や銀などを加えた合金(18K)が採用されます。
18Kは金の含有率が75%で、残りの25%に加える金属によって色味や風合いが異なります。

イエローゴールド(18KYG)

純金に銀と銅をバランスよく加えた、やや温かみのある黄金色。クラシックで華やかな印象。

ホワイトゴールド(18KWG)

純金にパラジウムなどの白色系金属を加え、プラチナのような上品な白銀色に仕上げたもの。

ローズゴールド(18KRG)

純金に多めの銅を加えることで、ピンク〜赤みがかった優しい色味を持つゴールド。現代的で温かみのある印象。
ゴールド素材は、ステータス感やラグジュアリーさを演出するため、高級モデルで広く用いられています。

プラチナ

白銀が美しい重厚感と希少性を兼ね備えた素材で、軽量で超高硬度なため時計にはケースやブレス、ベゼルなどに採用されることが多く、高級時計の中でも特に特別なモデルに使用されます。

セラミック

高耐久・耐変色性を持つ焼結セラミック素材。
高級感と耐久性を兼ね備え、近年はモダンなデザインに採用される素材です。

ムーブメントの振動数

時計の「毎時振動数(ハーツ)」とは、ムーブメントの中で1時間に何回振動するかを表す数値で、時計の精度や滑らかさに大きく関わる大切なポイントです。
単位は「A/h(振動/時)」で表され、たとえば28,800A/hであれば1秒間に8回振動していることになります。
振動数が高いほど秒針の動きが滑らかになり、時間のズレも少なくなります。

ただし、その分パーツの負担が大きくなるため定期的なメンテナンスも必要です。
一般的には20,000〜28,800 A/hが多く、ハイエンドモデルでは36,000 A/hのような高振動ムーブメントも採用されています。

機械式にこだわるなら、この「振動数」にも注目して選ぶと、時計の個性や魅力がより深く見えてきますよ。

18,000振動/時(毎秒5振動)

「ロービート」と呼ばれる低振動のタイプ。安定性の高い設計で機械に大きな負担がなく比較的長寿命。

21,600振動/時(毎秒6振動)

こちらも「ロービート」タイプで、安定性と精度のバランスが取れたミドルタイプ。
5振動との違いは精度と針の動きの滑らかさにあり、6振動はより現代的で高精度、5振動はクラシックな雰囲気と低負担という違いがあります。

28,800振動/時(毎秒8振動)

現代の主流「ハイビート」。精度が高く日差も少ないのが特徴。
現在の機械式腕時計では手巻き・自動巻き共にこのタイプが最も主流となっています。

36,000振動/時(毎秒10振動)

非常に高精度な機械式ムーブメント。1秒間にテンプが10回振動するため、秒針の動きがとても滑らかで時間のズレも少なくなります。
代表的なモデルにセイコーの「グランドセイコー」やゼニスの「エル・プリメロ」などがあり、スポーツや計測用途にも適しています。
部品の摩耗が早くなるため、メンテナンスが重要です。

まとめ

今回ご紹介したのは、時計を選ぶうえで覚えておきたい「基本スペック」の一部です。
防水性能・ケースやブレスの素材・ムーブメントの振動数といったポイントを押さえるだけでも、どんな場面に合う時計なのか、ブランドごとの個性も見えてきます。

これから時計を選ぶ方も、すでに愛用している方も〝時計の基礎を知ることからはじまる楽しみ〟を見つけて、自分だけの一本を選んでみてくださいね。


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