文:株式会社近江屋 広報部
監修:大畑 博之(株式会社近江屋代表取締役・一級時計修理技能士)
はじめに
ボーム&メルシエ(Baume & Mercier)は「初めての高級時計に最適なブランド」。
約200年という歴史を持ち、品質・デザイン・実用性を大切にしてきたスイスの老舗ブランドです。
華やかさよりも本質を重視する人の間で、近年あらためて評価が高まっています。
高級時計の世界では、ロレックスやオメガのように圧倒的な知名度と確立された価値観を誇るブランドが話題の中心にあります。
一方で、ボーム&メルシエのように主張を控え、静かに愛され続けてきたブランドも存在します。
今回は、スイス高級時計の老舗ブランド「ボーム&メルシエ」の魅力を、代表的なモデルとともにご紹介していきます。
1830年創業。世界最古級のスイス時計ブランド
ボーム&メルシエの歴史は、1830年のスイス・ジュラ地方まで遡ります。
創業当初から精度の高さと革新性を重視した時計づくりを行い、19世紀には観測所クロノメーター競技で実績を残し、高い評価を得てきました。
1920年、ウィリアム・ボームとポール・メルシエの出会いにより、現在の「ボーム&メルシエ」というブランドが確立されます。
精度や機能性に加え、デザイン性やエレガンスも重視した腕時計を展開。
実用性と美しさを兼ね備えたスタイルは、当初から高い評価を受けてきました。
これまで、カルティエやIWCなどで知られるリシュモンの一員として長年展開されてきましたが、近年のグループ再編によりダミアーニへと移行しました。
ブランドの所属は変化しつつも、その本質である「実用性と上質のバランス」は現在も受け継がれています。
手の届きやすさが生む『ちょうどいい高級感』
ボーム&メルシエの大きな魅力のひとつが、価格と品質のバランスです。
次のような時計を求める方にフィットします。
・初めての機械式時計
・実用性と高級感を両立した1本
・さりげなく上質さが伝わるデザイン
高級時計の世界への〝入口〟としても支持され、日常に自然と溶け込む「ちょうどいい高級感」が多くの人に選ばれています。
近年では、ヨーロッパを中心に若年層の間でドレスウォッチの人気が高まっており、控えめで洗練されたデザインが再評価されています。
こうしたトレンドとも親和性が高い点も、ボーム&メルシエの魅力のひとつといえるでしょう。
フォーマルからカジュアルまで対応するデザイン性
ボーム&メルシエの時計は、全体的にエレガントでバランスの取れたデザインが特徴。
控えめでありながら、安っぽさを感じさせない。その絶妙なデザイン感覚が、幅広い年齢層から支持されてきました。
ここでは、代表的なコレクションをご紹介します。
それぞれ異なる魅力を持つコレクションの中から、代表的なモデルを見ていきましょう。
リビエラ 10827

https://x.gd/Qj1qO
41㎜ケースに自動巻きムーブメント(バルジュー7753)を搭載、48時間パワーリザーブ・100m防水を備えたスポーティーモデル。大胆な白×黒のツートンダイヤルは、視認性とデザイン性を両立しています。
クロノグラフ機構と洗練されたステンレスブレスレットが、日常使いからカジュアルシーンまで幅広く対応するスポーティー×エレガントなクロノグラフです。参考価格:641,300円(税込)
クリフトン 10771

https://x.gd/sIkec
39㎜ケースの自動巻きドレスウォッチ。
深みのあるブルーグラデーション文字盤が落ち着きの中に上質な存在感をもたらします。
自社製ボーマティックムーブメントを搭載し、約120時間のロングパワーリザーブと高い耐磁性能を実現。
ケースサイズは日本人の腕にも自然にフィットし、ビジネスからカジュアルまでシーンを問わず、品よく馴染みます。
実用性とエレガンスを兼ね備えた、ボーム&メルシエらしいバランスの取れた一本です。
参考価格:537,900円(税込)
クリフトン 10778

https://x.gd/7Sjy0
同じく39㎜の自動巻きで、世界350本限定モデル。
サーモンカラーのオパーリン文字盤と洗練されたケースで、クラシカルかつモダンな印象です。
ロングパワーリザーブ(120時間)とボーマティックムーブメントの信頼性を備え、希少性と実用性を兼ね備えた魅力的なモデルです。参考価格:511,500円(税込)
ハンプトン 10795

https://x.gd/kxEPz
35×22㎜のレクタンレギュラーケースを採用したクォーツモデル。
アールデコ調のデザインが特徴で、上品で洗練された印象に仕上げられています。
フォーマルからカジュアルまで幅広く使える一本です。参考価格:224,400円(税込)
ボーム&メルシエを長く使うために|メンテナンスのポイント
ボーム&メルシエの時計は高い実用性を備えていますが、長く愛用するためには定期的なメンテナンスも欠かせません。
機械式時計の場合、オーバーホールの目安は3~5年に一度とされていて、内部の潤滑油の劣化や部品摩耗を防ぐことが大切です。
特に、クリフトンシリーズに搭載されるボーマティックムーブメントは、高い実用性とロングパワーリザーブを備える一方で、精度維持のためには定期的な点検が推奨されます。
また、防水性能を保つためのパッキン交換や、外装のメンテナンスも重要なポイントです。
日常使いしやすい時計だからこそ、適切なケアを行い、その魅力をより長く楽しみたいですね。
まとめ
ボーム&メルシエは「歴史・品質・価格・デザイン」のバランスに優れた、数少ないスイス高級時計ブランド。
時計そのものの完成度が、長く愛されてきた理由です。
人と被りにくく、流行やロゴで過度に主張しない佇まい。
その一方で、ムーブメントの信頼性や洗練されたデザイン、日常での装着感といった〝時計としての本質〟には一切の妥協がありません。
こうした姿勢こそが、ボーム&メルシエが〝通好み〟と評される理由でしょう。
派手さはなくても、長く使うほどに良さが分かる。
初めての機械式時計から、肩肘張らずに楽しめる高級時計まで。
静かに、そして確実に選ばれ続けているブランドです。
次の1本として、選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
弊社では、ロレックスやオメガ、カルティエをはじめとした高級時計の修理・オーバーホールを承っております。
今回ご紹介したボーム&メルシエについても、これまで多数の修理実績があり、モデルごとの構造や特性を踏まえた適切な対応が可能です。
アンティークモデルやヴィンテージ時計、部品供給が終了している個体についても、状態に応じた最適な修理方法をご提案いたします。
「動かない」「精度が安定しない」「メンテナンス時期が分からない」といったご相談にも対応しております。
名古屋で時計修理をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
プロフィール
大畑 博之(おおはた ひろゆき)
1938年創業の時計修理会社「株式会社近江屋」代表取締役、個人向け高級時計修理ブランド「e-tokimemte(イートキメンテ)」も運営。ロレックスをはじめ高級時計の修理実績多数。一級時計修理技能士。










