はじめに
日本製の高級腕時計ブランド、グランドセイコー。
グランドセイコーは1960年にセイコーの最上位コレクションとして誕生しました。
2017年にグローバル化を目指してセイコーから独立し、世界でも高い評価を受けています。
今回は、侍ジャパン&メジャーリーガー大谷翔平選手とグランドセイコーとの関わりや、セイコーとの違い、約60年ぶりに復活したキングセイコーとの違いなどもみていきたいと思います。
セイコーとの違い
セイコーは日本の老舗時計ブランドとして多くの人に知られています。
銀座のシンボルとして有名な「和光の時計塔」、テレビや映画などで見かけることも多いのではないでしょうか。
屋上に時計塔のある「銀座・和光」は、もともと服部時計店(セイコーのルーツである会社)の本社として建てられた建物です。
現在の時計塔は1932年に竣工された二代目で、2011年から時計塔に「SEIKO」のロゴが入っています。
2022年にはセイコーグループが和光本館をリニューアルし「セイコーハウス銀座(SEIKO HOUSE GINZA)」としてオープンしました。
セイコーは1881年、「東洋の時計王」と呼ばれた服部金太郎が「服部時計店」を創業したことからはじまります。
1892年には時計製造工場「精工舎」を設立し、1913年に国産初の腕時計「ローレル」を発表、1964年の東京オリンピックでは公式時計に採用されました。
1969年に世界初のクオーツ腕時計「アストロン」が誕生。それを機に1970年代、クオーツショック(※)が起きたのは時計業界にとって大きな歴史の変化でした。
※クオーツ時計が大量生産されるようになり、従来の機械式時計が衰退したできごと。
近年の「セイコー」といえば、メジャーリーグでもWBCでも大活躍の大谷選手がアンバサダーのブランド、「アストロン」は大谷選手モデルも出ている注目の時計、というイメージの人もいるのでは。大谷選手が登場する「アストロン」のかっこいいCMも放送されていますね。
歴史を変えるという点では、大谷選手も世界の野球史で信じられないような二刀流の歴史を作り続けていますよね
グランドセイコーと大谷選手
出典:History | グランドセイコー公式サイト より「初代グランドセイコー」
「グランドセイコー」はセイコーの最上位コレクションとして1960年に誕生し、2017年にセイコーから独立化したブランドです。
大谷選手が侍ジャパンのチームメート「たっちゃん」ことヌートバー選手にあげた腕時計がグランドセイコーなのでは?とWBC後に話題になりました。
大谷選手が食事の際につけていた時計を「どこのものか聞かれて、ほしそうだったからあげた」ということだそう。
ヌートバー選手は「もし2026年(次回のWBC)に戻ってこなかったり、他の国の代表をしたりしたら、返してもらうからね」という大谷選手からの条件付きだったとインタビューに答えたとのこと。
日米ハーフのヌートバー選手が相手だからこそのユーモアある条件……WBCの期間中、優勝までの劇的な勝ち上がり方や、楽しそうに話していた選手たちを見ていた人にとってはジーンとくる話ですね。
両選手とも、どこのブランド・モデルかはっきりと明かしてはいないため確定はできませんが、大谷選手からのプレゼントであれば、どの時計だったとしても特別な宝物になるでしょうね。
(2023年12月追記)
後日、ヌートバー選手のインタビューによって大谷選手からもらった時計がグランドセイコーの「白樺モデル」であったことが判明しました。いまでも大切に使っているそうです。
大谷選手が所有していた時計は、2021年グランドセイコーから贈呈された機械式時計「SLGH005(通称:白樺モデル)」。
大谷選手からの次回WBCの約束や、(偶然かもしれませんが)日本製のグランドセイコーをあげたこと、ヌートバー選手が大切に使っているという後日談など、野球ファン・時計ファンどちらも嬉しく感じるエピソードですね。
「白樺モデル」については下記でご紹介しています。
出典:(左)SLGH005 | グランドセイコー公式サイト (右)SLGA009 | グランドセイコー公式サイト
遡って2021年、メジャーリーグ2021年シーズンのMVP受賞記念としてセイコーから大谷選手に「グランドセイコー」が贈呈されています。
贈られたのは「エボリューション 9 コレクション」の2021年モデル「SLGH005」(通称:白樺モデル)。
2021年度ジュネーブ時計グランプリ「メンズウオッチ」賞の受賞モデルで、製造工房のある岩手県の白樺林をモチーフとしたダイアルが印象的な時計です。岩手県は大谷選手の出身地でもありますね。
2023年5月現在、「白樺ダイアル」の時計は、レギュラーモデルとして機械式「SLGH005」(2021年発売)とスプリングドライブ(※)「SLGA009」(2022年発売)の2種類が販売されています。
(※)クオーツと機械式の長所をあわせ持ったセイコー独自のムーブメント。
価格は「SLGH005」「SLGA009」ともに115万5000円(税込)です。
グランドセイコーには2つのマニュファクチュール(※)工房があり、
・機械式時計が岩手県雫石町の「グランドセイコースタジオ 雫石」
・スプリングドライブモデルが長野県塩尻市の「信州 時の匠工房」
で、それぞれ作られています。
(※)自社一貫製造。ムーブメントの開発、設計から製造や組立まですべて自社で行う生産体制。
キングセイコーとの違い
キングセイコーは、グランドセイコー登場の翌年、1961年に誕生した時計です。
グランドセイコーと並んで国産の機械式腕時計の名作として人気がありましたが、1975年に生産終了してからはアンティーク市場でしか取り扱いがありませんでした。
誕生から60年余り経った2022年、キングセイコーが復活したことで驚いた人もいるかもしれませんね。
セイコーのレギュラーコレクションとして復活したキングセイコーは、1965年発売の「KSK」と呼ばれる二代目のデザインがモチーフとなっています。
まとめ
今回は、グランドセイコーとセイコーとの違い・キングセイコーとの違いや、大谷選手との関わりについてみてきました。
大谷選手の活躍によってアンバサダー契約や大谷選手モデルを発売しているセイコーのこと、セイコーから贈呈されたグランドセイコーのことを知ったという人もいると思います。
グランドセイコーはブランドとしては独立していますが、セイコー、キングセイコーも合わせて今後の展開に注目してみてはいかがでしょうか。
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