はじめに
日本の高級腕時計ブランドとして知られるグランドセイコー。
前回は、グランドセイコーの奥深いモノづくりについてお話ししました。
▶メイドインジャパンが世界でも高評価!グランドセイコーの時計づくり(前編) 〈2023.11.29〉
今回は、グランドセイコーの世界での評価のほか、国産ならではのコレクションに注目してみたいと思います。
近年の世界での評価
グランドセイコーは、メイドインジャパンの時計ブランドとして国際的にも高い評価を受けています。
近年では、時計界のアカデミー賞ともいわれる「ジュネーブ時計グランプリ(GPHG)」において3度(※)の受賞歴があります。
(※)セイコーとしては2006年、2010年と2度の受賞あり。
出典:グランドセイコー公式サイト
●〈2014年度〉「メカニカルハイビート36000GMT限定モデル SBGJ005」プティット・エギュィーユ部門賞(※)を受賞
深緑のダイヤル(限定モデルの特別仕様)は、岩手県の名峰・岩手山の新緑の山肌がモチーフになっています。
メイドインジャパンの機械式時計として、同賞史上初の受賞でした。
(※)「小さな針」の意味。 8,000スイスフラン以下の時計を対象とした部門の賞。
●〈2021年度〉「SLGH005(通称:白樺モデル)」メンズウオッチ部門賞を受賞
岩手県の白樺林を表現したダイヤルが特徴的な時計。
メジャーリーグ2021年シーズンのMVP受賞記念として、セイコーから大谷選手に贈呈されたことでも知られるモデルです。
2023年には、この時計を大谷選手が侍ジャパンのチームメートであるヌートバー選手にあげたというエピソードも話題になりました。
▶「「グランドセイコー」セイコーやキングセイコーとの違いは?大谷選手と関わりも?」
〈2023.05.24記事リンク〉
出典:グランドセイコー公式サイト
●〈2022年度〉「グランドセイコー Kodo コンスタントフォース・トゥールビヨン SLGT003」クロノメトリー賞(※)を受賞
グランドセイコー初のコンプリケーションウオッチ(機械式複雑時計)。
世界で初めて「コンスタントフォース」と「トゥールビヨン」という2つの複雑機構を同軸に一体化して組み合わせた時計で、「Kodo」は心臓の「鼓動」を意味しています。
(※)卓越した精度を備えた時計に贈られる賞。
日本製ならではのコレクション
グランドセイコーのラインナップは、セイコーから独立する前の質実剛健としたシンプルなデザイン「セイコースタイル」を継ぐモデルから、新たに日本の美意識を融合させたモデルまで様々。
現在は「マスターピースコレクション」「エボリューション9 コレクション」「エレガンスコレクション」「ヘリテージコレクション」「スポーツコレクション」という5つのコレクションがあります。
日本の土地や風景、四季など独特の美しさを融合したデザインはグランドセイコーの大きな魅力のひとつです。
岩手山や白樺を表現したジュネーブ時計グランプリ受賞モデル、風に吹かれた雪面を表した人気の「雪白モデル」(2017年登場)、日本の四季がダイヤルで表現された「二十四節気シリーズ」(2021年登場)など……。
二十四節気(にじゅうしせっき)は日本の季節を表す言葉で、1年の春夏秋冬4つの季節を、それぞれ6つに分けた(24等分した)もの。春分の「山桜」や冬至の「雪晴れ」のように、季節をイメージしたモデルが次々と発売されています。
日本ならではのモチーフ、漢字表記の名前も印象的な時計をリリースしているグランドセイコー。
ここでは、エレガンスコレクションから、日本の季節を表現したダイヤルのカラーリングが特徴的なモデル(2022年発表)をご紹介します。
出典:グランドセイコー公式サイト より(左から)「SBGW283」「SBGW285」「SBGW287」「SBGW281」
●日本の季節の移ろいをインスピレーションにしたコレクション
・「SBGW283」
「季春の美」。春から夏の移ろい「季春(きしゅん)」の頃、青空や地面に移る影が表現されたモデル。
・「SBGW285」
「杪夏の美」。夏から秋の移ろい「杪夏(びょうか)」の頃、短い夏の終わりの成熟した緑が表現されたモデル。
・「SBGW287」
「暮秋の美」。秋から冬の移ろい「暮秋(ぼしゅう)」の頃、秋の深まる様子が濃いワインレッドで表現されたモデル。
・「SBGW281」
「晩冬の美」。冬から春の移ろい「晩冬(ばんとう)」の頃、かすかな春の香りがシャンパンゴールドで表現されたモデル。
〔4モデル共通〕手巻きムーブメントCaliber 9S64搭載。605,000 円(税込)。
季節ごとのダイヤルカラーが美しい時計ですが、色に込められた意味を知ると、より魅力的に感じますね。
まとめ
日本ならではの時計づくりを行っているグランドセイコー。
品質や性能の高さに加え、「和」を感じるデザインが海外では人気とのこと。
またジュネーブ時計グランプリでの受賞もあり、年々、世界からの注目が高まっています。
今後もメイドインジャパンのブランドとして、どのような時計を発表するのか楽しみですね。
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