はじめに
ロレックスのマークと言えば5本の先端がある王冠。
その王冠が、実は文字盤を覆うガラス(風防)の6時の位置に、小さくうっすら入っていることをご存じですか?
肉眼ではなかなか確認しづらいものなので、実際に王冠透かしマークを見た人は少ないかもしれません。
そこで今回は、この透かしマークの特徴や透かしが入っている理由について解説したいと思います。
王冠透かしは模造品対策
ロレックスが実際に公言したことではありませんが、王冠透かしは模造品対策のために入っていると考えられています。
ロレックスの王冠透かしは緻密で、肉眼ではほとんど確認できません。硬度の高いサファイアガラスにこれほど小さな透かし模様を入れるには高度な技術が必要です。
模造品の透かしは本物よりも作りが稚拙であったり刻印が深かったり、目視で確認できるものが多いと言われています。
※目視で確認できるかどうかだけで偽物・本物を判断するのは難しいため、不安な方は専門家に見てもらうのが望ましいです。
王冠透かしの特徴2つ
1.王冠透かしは6時の位置
王冠透かしは時計の6時の位置、ガラスの表面にあります。
ゴマ粒の半分くらいの大きさで、光の加減次第によってはかろうじて肉眼で確認できるかな?というほど小さいです。
見てみたい場合はルーペを使って、ライトを当てて腕時計を斜めにしたり角度をつけると見えてきます。
2.とても小さく、精巧な透かし
先ほど書いた通り、王冠透かしはゴマ粒の半分ほどの大きさで、ルーペで拡大しなければはっきり見えないくらいの小ささです。
これほど小さなマークを、光を当てて斜めにしてやっと見られるような透かし模様で入れるのは、並大抵の技術ではありません。
しかもロレックスのガラスは極めて硬度の高いサファイアガラスが使用されており、この素材に繊細な透かしを入れられるのはロレックスの高い技術力ならではです。
模造品は透かしがあっても本物より作りが荒かったりするため、真贋を見極める重要なポイントになっています。
王冠透かしはいつからある?
王冠透かしは1999年に発売されたヨットマスター・ロレジウムで初めて採用され、2003年にはほぼ全てのモデルに採用されています。
当然それ以前の時計には透かしが入っていませんが、修理でガラスを交換した際、透かし入りのガラスに交換されて戻ってくるケースもあります。
そのため修理で透かし入りのガラスに交換された時計は、2003年以前のものでも透かし入りのガラスである場合があります。
透かしのないモデル、見えにくいモデル
ミルガウスGVは王冠透かしがない
現在ではほぼすべてのモデルに入っている王冠透かしですが、耐磁モデルのミルガウス(116400GV)には透かしが入っていません。
使用されているガラスがロレックスで独自に開発した「グリーンサファイアガラス」という、非常に硬くて加工が難しいガラスであるため、刻印するのが困難だからではないかと言われています。
透かしが見えにくいモデル
王冠透かしが入っていても、ディープシーDブルー(126660)は文字盤が青いことと曲面の分厚いガラスを採用しているため、ルーペを使用しても見つけるのに苦労します。
文字盤が白いモデルなどは正面からではほぼ見えません。この場合は12時側から斜めに見るようにすると、6時側のシリアルナンバーがある箇所が背景になりうまく見えるかと思います。
他にもある模造品対策
王冠透かしの他にも、ロレックスの精巧な技術を用いた模造品対策があります。それがルーレット刻印です。
ケースをのぞき込むと、文字盤とガラスの間の内側にぐるりと巡っている「ROLEX ROLEX ROLEX…」という刻印、これをルーレット刻印と言います。
モデルによって異なりますが、2004年より採用が始まり、現在はスポーツモデルには必ず採用されている定番の仕様になりました。
ルーレット刻印のROLEXの文字は1分ずつのミニッツマーカーと同じ場所に彫られています。偽物は文字がずれていることが多いようです。
また、本物のロレックスのルーレット刻印は12時の位置の王冠を起点として刻印されていますが、模造品は王冠が12時のインデックスの中央にきていないものも多く、これも真贋を見分けるポイントになっています。
このようにロレックスは王冠透かしやルーレット刻印といった精巧な技術を複数使用することで、簡単には真似できないよう進化しているのです。
まとめ
王冠透かしやルーレット刻印以外にも、ロレックスには精巧な技術がふんだんに使用されています。
精緻な加工に注目すると、より腕時計のすばらしさが実感できて、愛着がわいてくるのではないでしょうか。
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