はじめに
世界三大時計のひとつヴァシュロン・コンスタンタンは、特別な顧客へのオーダーメイドや芸術性の高い一点物など、工芸技法を凝らした希少価値の高いモデルを生み出しています。
今回はそのなかから、2022年にヴァシュロン・コンスタンタン 銀座本店にて展示された国宝「風神雷神図」をモチーフとした『レ・キャビノティエ』を紹介します。
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【出典:ヴァシュロン・コンスタンタンHP】
風神雷神図とは
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風神雷神図(ふうじんらいじんず)とは、風の入った袋から風雨を出して嵐を起こす風神と、手に握ったバチで背にある太鼓を叩き雷鳴や稲妻をおこす雷神の姿が描かれた屏風絵です。
7世紀ごろから琳派の画家や北斎漫画にも登場するなど、数多くの画家に描かれてきました。
国宝に指定されているのは俵屋宗達の風神雷神図で、京都国立博物館に所蔵されています。
もともとは京都の建仁寺にあり、1624年ごろの作品とされています。
金箔を全面に敷き詰めるように貼ることで、風神と雷神の姿がよりはっきりと際立つよう装飾的に描かれています。金箔は装飾を超えて無限の空間、神的な空間の広がりとして表現されており、国宝として疑いなく評されています。
また、東京国立博物館に所蔵されている尾形光琳による模写も重要文化財に指定されています。
ヴァシュロン・コンスタンタンの風神雷神
俵屋宗達の国宝「風神雷神図」をモチーフとしたレ・キャビノティエは、日本の神話に着想を得て制作されたユニークピースと言われ、2022年4月にヴェネチアで開催された、芸術的な職人技を称える国際的な工芸展、ホモ・ファーベル展で発表されています。
風神雷神は本来、仏教的な鬼の姿をした守り神で、俵屋宗達が描いたかどうかも伝聞で伝わるという謎多き作品です。そして日本画の技法をエナメルで描く難しさをどうクリアしたのでしょうか。
ダイヤルベースは18Kイエローゴールドにし、格子模様に彫り込み、金箔装飾の貼り込みを再現しています。
その上に透明度のある釉を重ねることで、宗達の肉筆画の垂らしこみ技法の再現を試みています。
ケースは直接金属をビュランで彫り込むエングレーヴィング技法で、風神図には風のような曲線を、雷神図には雨のような円形の線を掘り、ホワイトゴールドに立体感と装飾美を与え宗達の無限に広がる空間を継承しようとしています。
ムーブメントにはキャリバー1731を採用、ベルトはアリゲーターレザーストラップを使用することでクラシカルな印象になり、より伝統を感じさせています。
2019年にルーヴル美術館と「作品およびその制作技術の保存・継承」を旨とする芸術的・文化的パートナーシップを締結しているヴァシュロン・コンスタンタンならではの技術力が駆使された
特別な一品となっています。
過去には日本の伝統工芸「蒔絵」も登場
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【出典:象彦HP】https://www.zohiko.co.jp/collaboration/1731/
ヴァシュロン・コンスタンタンは過去に日本の伝統工芸と融合した芸術的時計コレクション「ティエダール(職人の手仕事による芸術、という意味)」を発表してきました。2010年に蒔絵技術を使用したピンクゴールドケース「梅と鶯」「松と鶴」、ホワイトゴールドケース「竹と雀」を発表。1611年創業の京都の漆器製造元「象彦」の職人を招きエキシビションが行われています。
蒔絵は漆を接着剤にして金粉をまき立体的に描いていく伝統工芸で、製作には繊細な職人技が必要で非常に時間がかかります。蒔絵を使用した象彦とのコラボは3回行われており、2012年の最後のコラボレーションには「メティエ・ダール『ラ・サンボリック・デ・ラック』」を発表。
「雪月花」をテーマに日本の情緒溢れる春、秋、冬を描き出し、まるで刀の鍔のような日本の伝統的な意匠となっています。
中国神話にちなんだ工芸
【出典:ヴァシュロンコンスタンタントラディショナル・トゥールビヨン】
ピンクゴールドのケースの中心に中国の伝説の生き物「龍」と「鳳凰」が手作業のギヨシェ彫りの文字盤に鮮やかに彫像で再現されています。ペリフェラルローターを搭載した自社製の超薄型キャリバー2160を採用。メティエ・ダール 中国干支の伝説のシリーズも発表されています。
まとめ
スイス・ジュネーブに本拠地を置く1755年創業の老舗時計メーカー「ヴァシュロン・コンスタンタン」。日本はまだ江戸時代に始まった時計メーカーは、創業時代の日本に思いを馳せ国宝に挑むべく伝統との融合を試みました。
世界の伝統工芸と融合することで、さらなる芸術性の高まりを感じさせずにはいられません。
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