目次
はじめに
世界五大時計ブランドのひとつ「Breguet(ブレゲ)」は、来年には創業250年を迎える名門ブランド。
1775年にフランス・パリで創業され、現在はスイスに拠点を置いています。
パリのブレゲミュージアムで保存される過去の顧客台帳にはナポレオンやマリー・アントワネットなどの名前もあるということで、歴史の長さを感じますね。
日本では海外ほど馴染みがないかもしれませんが、世界中の王侯貴族やセレブリティに愛好家がいる老舗ブランドです。
ブレゲは複雑時計の開発や懐中時計・ドレスウォッチなどが有名ですが、1950年代からはパイロットのための腕時計も手がけています。
今回は、ブレゲのパイロットウォッチから現在のラインナップ「タイプ20」と「タイプXX」に注目してみたいと思います。
世界五大時計ブランドとは?
時計業界では、「パテック フィリップ」「オーデマ ピゲ」「ヴァシュロン・コンスタンタン」が世界三大時計ブランドとして知られています。
その世界三大時計ブランドに「A.ランゲ&ゾーネ」と「ブレゲ」を加え、世界五大時計ブランドといわれることも。
他のブランドと比べて別格視されている理由は、歴史・品質・ステータスなど世界的な評価の高さから。
世界最高峰の時計は価格帯も超高級で、「雲上時計」「雲上ブランド」(手の届かない雲の上の存在)とも呼ばれ、手に入れることが時計ファンの憧れになっています。
ブレゲの伝統として、現在も正規取扱店で購入した場合、条件によっては顧客台帳に名前が載るそうです(※正規販売店の保証書や、時計の最初のオーナーであることなど、いくつか特定の条件あり)。
関連コラム↓
▶世界三大時計①オーデマ・ピゲ (2021.10.06)
▶世界三大時計②パテックフィリップ (2021.10.20)
▶世界三大時計その③ヴァシュロン・コンスタンタン (2021.11.03)
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▶A・ランゲ&ゾーネ2022年の新作3つ!定番モデルもご紹介 (2022.07.06)
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創業者は天才時計師・ブレゲ
出典:ブレゲ公式
ブレゲの創業者は、世界初の腕時計を製造し、天才時計師と呼ばれたアブラアン=ルイ・ブレゲです。
現在の高級時計の持つ機構の約70%を開発し、「時計の歴史を200年早めた人物」といわれるほど。
世界三大複雑機構「パーペチュアル(永久)カレンダー」「トゥールビヨン」「ミニッツリピーター」や、「ギヨシェ彫り」装飾など数々の発明をし、「時計界のレオナルド・ダ・ヴィンチ」ともいわれています。
ブレゲのロゴにもなっている印象的な「ブレゲ針」は、先端が月を思わせる穴の開いた針。
ブレゲが考案した針ですが、他の時計ブランドでこのデザインが使用されることもあるため、見たことがあるという人もいるのではないでしょうか。
パイロットウォッチ「タイプ20」と「タイプXX」
●「タイプ 20」 クロノグラフ 2057(軍用モデルのバージョン)
●「タイプ XX」 クロノグラフ 2067(民間モデルのバージョン)
ブレゲの高い技術力はフランス軍にも採用され、1950年代にはクロノグラフの軍用時計を製造。
「タイプ XX」と名付けられたパイロットウォッチには、軍用モデルと民間モデルの2種類がありました。
現在のラインナップは、2023年に登場した自動巻きの「タイプ20」と「タイプXX」の2バージョン。
軍用モデルのバージョンは「タイプ 20」、民間モデルのバージョンが「タイプ XX」と表記されますが、どちらも読み方は「タイプ トゥエンティ」になります。
「タイプ20」と「タイプXX」どちらも、それぞれモチーフになった初代モデルのデザインが取り入れられています。
両モデルには共通する特徴もありますが、針の形やカラー、文字盤のレイアウトやムーブメントなど異なる特徴があります。
〈共通する主な特徴〉
・ブラックダイヤル
・4時半位置に日付表示窓
・直径42mmサイズ、スティール製ケース
・フライバッククロノグラフ機能(クロノグラフ作動中にリセットボタンを押すと、0から再計測を始める機能)
・自動巻き、パワーリザーブ60時間
など
〈「タイプ20(軍用モデル)」の主な特徴〉
・アラビア数字、針、ベゼルの3角マーカーにはミントグリーンの夜光塗料
・3時位置に30分積算計、9時位置にスモールセコンド
・彫刻のない溝付き両方向ベゼル
・ポワル型(洋梨型)のリューズ
・キャリバー7281
など
〈「タイプXX(民間モデル)」の主な特徴〉
・アラビア数字、針、ベゼルの3角マーカーにはアイボリー色の夜光塗料
・3時位置に15分積算計、6時位置に12時間積算計、9時位置にスモールセコンド
・溝付き双方向目盛り付きベゼル
・クラシカルな直線型のリューズ
・キャリバー728
など
価格は、
・カーフスキンストラップのモデル:2,882,000(税込)円
・ステンレススティール製ブレスレットのモデル:3,366,000(税込)円
じっくり見ていくと様々な違いがありますが、みなさんはどのタイプがお好みでしょうか?
当店でのブレゲ修理実績より ~パイロットウォッチ「アエロナバル」~
最後に、当店の修理実績よりブレゲ「アエロナバル」の修理について少しご紹介します。
海軍航空部隊を意味する「アエロナバル」は、1995年に登場し2018年に生産終了となったモデル。
以前ご依頼を受けた「アエロナバル」は当店でお預かりし、修理(分解清掃)を行いました。
●分解清掃のご依頼(40代男性のお客様)
〔状態〕普段の使用による油の劣化、油切れが見受けられました(動いている状態でのお預かり)
〔修理〕洗浄・注油・調整を行いました
〔お預かり期間〕1か月ほど(※業務の種類、時計の種類、繁忙期などで変わります)
〔修理金額〕66,000円(税込)(※ブランドや製品、状態によって変わります)
▶修理の様子はこちらへ 「実績紹介⑬ 分解洗浄」 (2022.02.22 修理実績 リンク)
時計は定期的なメンテナンスを行うことで、長く使用していただくことが可能です。
ブレゲの生産終了モデルやアンティークモデル、他のブランドの修理も行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、現在ブレゲが展開しているパイロットウォッチ、軍用モデル「タイプ20」と民間モデル「タイプXX」をご紹介しました。
ブレゲは、パイロットウォッチのほかにも懐中時計やドレスウォッチなど、さまざまなタイプの時計を発表しています。
ブランドの歴史が長く、過去の名作がアンティーク市場で流通している場合もありますので、気になる方は探してみてはいかがでしょうか。
時計修理の近江屋では高級時計、アンティーク時計、ヴィンテージ時計の他、掛け時計など腕時計を中心に幅広く時計修理を承っております。
高級時計の王道である「ロレックス」や「ロレックスのアンティーク時計」も数多く修理してきた実績も抱えております。
その他、カルティエ、オメガ、タグホイヤー、エルメス、IWC、ヴァシュロン・コンスタンタン、ジャガールクルト、ダンヒル、パネライ、ピアジェ、ボーム&メルシェ、ロジェ・デュブイ、ウブロ、ゼニス、グラスヒュッテ、ジャケ・ドロー、ティソ、ハミルトン、ブランパン、ブレゲ、ラドー、ロンジン、ショパール、ハリーウィンストンなど、長年培ってきた技術で、どんな古い時計でも、どんなブランドでも修理・オーバーホールなどのメンテナンスを承ります。
部品がない、部品が生産されていないなど、アンティークやヴィンテージなどの古い時計の修理もお任せ下さい。
名古屋市昭和区にある時計修理サロンの他、百貨店事業部として百貨店様の時計修理コーナーでも高級ブランドの時計修理も承っております。
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