はじめに
2022年、アンディ・ウォーホルのマリリン・モンローを描いた《Shot Sage Blue Marilyn》(1964)が、クリスティーズ・ニューヨークのオークションでは1億9504万ドル(約253億円)で落札されました。
同年にはアンディ・ウォーホルがペイントしたBMWに環境活動家が小麦粉8キロをぶちまけ、2023年はプリンス・シリーズが著作権侵害と判決。
2024年はユニクロが「KAWS + Warhol」展を協賛(2027年まで東京など世界の都市へ巡回)、この8月はカウズ + ウォーホル UT コレクションが発売されるなど、死後も話題は枚挙にいとまがないポップ・アーティスト「アンディ・ウォーホル」。
おしゃれな彼なら納得、実は大の時計好きでした。
今回は稀代のポップスター、アンディ・ウォーホルの愛した時計をご紹介します。
アンディ・ウォーホルとは
1928年生まれ、1960年に商業イラストレーターからファインアートの世界へ。かの有名なキャンベルスープをモチーフにしたシルクスクリーン作品を発表しました。
大量生産され大量に消費されるイメージを大量生産できるシルクスクリーンという版画技法を使うことで、人々の欲望を浮き彫りにしています。
マリリン・モンローも最初に刷られた作品はなんだかぞんざいで悲しげ。欲望に消費されつづけたイメージとして描かれているからでしょうか。ポートレートシリーズには坂本龍一や毛沢東なども。
また彼のファクトリーでは、アート・ワーカーたちが流れ作業で制作を行うかたわら、ダウンタウンのアートカルチャーの発信場所として賑わいました。
バスキアや小説家のトルーマン・カポーティなど多くの著名人がウォーホールのクスリと交流(パーティや刺激的なshowなども行われました)に溺れたのはまた別の話。
他にも映画制作、バンドのプロデューサー、ミュージックビデオの撮影など、メディアへの露出も多いスターであり続けました。
ウォーホルと時計
「未来には、誰でも15分間は世界的な有名人になれるだろう」という予言めいた発言でも有名になったウォーホル。まるでユーチューブやSNSの誕生を予言していたみたいですね。
時計に関しても「時間を知るためじゃない。身に着けることに意味があるんだ」という名言をのこしています。時間がとまったままブレスレットとして身につけていたなんて話もあるそうです。
彼のファッションスタイルはシャツにあわせて金の女性物のロレックスをスタイリングすることが多かったそうなので、さもありなん。
スマホやスマートウォッチの誕生で、手巻き時計はまさに身につける事に意味がある時代になりましたね。
死後、ウォーホル財団によって「ウォーホル・コレクション」と呼ばれる313点ものウォッチコレクションがサザビーズの競売にかけられ市場に出回りました。
タンク・ルイ・カルティエ
カルティエ公式:https://x.gd/7sZzaより
カルティエのHPにリンクされているyoutube動画にもウォーホルが登場しています。
しっかりカルティエのタンクを身につけている姿が。
ウォーホルが身につけている、タンク・ルイ・カルティエは、1917に誕生したエレガントなドレスウォッチ。ローマ数字にレイルウィがあしらわれ、アール・デコ様式が現代にも生きているデザインです。相当お気に入りのようで、タンクは3本所有していました。アール・デコ調の家具も購入していた形跡があることからウォーホールが時計のデザインに興味があったのは間違いなさそうです。
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パティック・フィリップ 2526
財団が1988年にササビーズで売却したウォッチコレクションのひとつ。ピンクゴールド製のパテック2526は自信のルーツ、ベネズエラで購入したもの。当時と変わらず新品同様の状態で、時計の裏側には、Serpico Y Laino のイニシャル「S&L」と金の「18k」の文字が入った販売店の刻印があります。再びオークションに出品され、10万ドルで落札されたようです。
パティック・フィリップもウォーホールのお気に入りのブランドで、他に1952年頃の18金イエローゴールド製Ref.2503を所有していました。そちらは2016年にクリスティーズで7万5000ドルで落札されています。
ロレックスク ロノグラフ Ref.3235
画像出典:christies.com
ベッドの天蓋や、引き出しの書類の下から発見されたウォーホールのウォッチ・コレクションはパティック・フィリップ、カルティエ・クラッシュとともにクリスティーズのオークションに再び出品されます。ロレックス・クロノグラフ3235もその一つ。
1988年のオークションでは茶色の革ベルトでしたがその後にシルバーとピンクゴールドのブレスに交換されています。3235はデイトナの原型ともいわれる1943年の初期のデザインで、3時位置に30分積算計、9時位置にスモールセコンドを備えています。
外周からタキメーター、テレメーター、1/5秒刻みのセコンドトラックが精密にプリントされています。クラシックな佇まいはウォーホルのお眼鏡にかなったに違いありません。
まとめ
いかがでしたか?
313点もあると紹介しきれませんが、ウォーホルの美意識、ポップスターとしての栄光、ファッションを楽しむアイテム、コレクター気質、などウォーホルの一面どころか二面も三面も見えてきそうなコレクションでしたね。
相当価値の高い時計といわれる時計の値段より、ウォーホルの作品の値段の方が上回っているのももう目が丸くなってしまいます。
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