はじめに
腕時計は時間を知るという実用性だけでなく、ファッションアイテムやコレクションとしても多くの人に愛される存在。
万が一、傷や不具合といったトラブルが起きても、部品の修理や交換を行うことで長く愛用し続けることができます。
一見シンプルに見える時計にも実は多くの精密なパーツが使われていて、それぞれが重要な役割を担っています。
インデックスやリューズなど基本的な部品の名称を知っておくことで、修理やメンテナンスが必要になった際も専門店とのやりとりがスムーズになります。
今回は、腕時計に使われる代表的なパーツ10種類と、それぞれの役割をご紹介します。
腕時計の代表的な部品とその役割

インデックス(Index/アワーマーカー)
文字盤の上に配置された時刻を示す数字や目盛り。アラビア数字やローマ数字、バータイプなどデザインはさまざまです。
また、夜光塗料を塗布したインデックスは、暗い場所でも視認性が高く実用性に優れています。
視覚的なデザインだけでなく実用性も担う重要な要素です。
ケース
ムーブメント(駆動装置)を収める「本体部分」。
ケースの形状にはラウンド型やスクエア型、トノー型などがあり、素材もステンレススチール、チタン、セラミック、ゴールドなど多種多様です。
デザイン性に加え、防塵性、防水性、耐衝撃性を備えることで、中の精密機構をしっかり保護しています。
文字盤(Dial/フェイス)
ブランドロゴや時刻表示、インデックスや針が配置される〝時計の顔〟にあたる部分。
装飾や仕上げによって、時計の印象が大きく変わるため、デザイン性が最も表現されるパーツのひとつです。
エナメル、サンレイ仕上げ、ギョーシェ彫りなど、表現技法も豊富です。
ベゼル
風防(ガラス)の外周を囲む縁の部分。
固定式のものからダイバーズウォッチのような回転式ベゼルまでさまざまなタイプがあり、回転式のものは経過時間の計測や、第二時間帯(GMT)の表示など機能的な活用が可能です。
素材や形状によって時計全体の印象も大きく左右されます。
風防/ガラス(Crystal)
文字盤全体を覆って保護する透明なパーツで、外部の衝撃や汚れから内部を守る役割を担います。
素材には、アクリルガラス、ミネラルガラス、サファイアクリスタルなどがあり、それぞれに硬度や透明度、傷つきやすさなどの特徴があります。
高級モデルでは、傷に強く透明度の高いサファイアクリスタルが使われることが一般的です。
ラグ
ケースから突き出した、ベルトやブレスレットを取り付けるための部分。
ラグ幅(取り付け幅)は、ベルト交換時に最も重要なサイズであり、時計のサイズ感や装着感にも影響を与えます。
また、ラグの形状や角度によっても腕にフィットするかどうかが変わるため、実用性と装着感に直結するパーツです。
バンド/ベルト/ブレスレット
腕に装着するためのストラップ部分には、素材や構造により名称が変わります。
革やラバー製のものは「ベルト」、金属製のものは「ブレスレット」と呼ばれ、それぞれに装着感や耐久性、メンテナンスのしやすさに違いがあります。
ブレスレットは、コマを増減することでサイズ調整ができるのが特徴です。
バックル
ベルトやブレスレットを留めるための留め具の総称。
一般的なピンバックル※のほか、Dバックル(両開き式)やプッシュ式のバックルなど、着脱のしやすさや安全性、デザイン性に応じた多様な種類があります。
特に高級時計では、装着時の負担を減らすためDバックルが好まれる傾向にあります。
※ピンバックル(穴留め式)…尾錠(びじょう)とも呼ばれ、ベルトの穴にピンで通して固定するタイプのバックル。
リューズ(Crown)
時刻や日付の調整、ゼンマイの巻き上げなどを行うためのパーツで、ケースの側面に配置されています。
ねじ込み式のリューズは防水性を高める構造になっており、ダイバーズウォッチなどでは特に重要な要素です。デザインや操作感にも個性があり、ブランドごとのこだわりが表れやすい部分でもあります。
針(ハンド)
時・分・秒などの情報を示すパーツ。時間を読み取るために不可欠です。
ペンシル、リーフ、ドーフィン、ブロードアローなど、形状や太さ、夜光塗料の有無により視認性やデザイン性が変わります。
また、秒針の動きから機械式(スイープ運針)かクオーツ式(ステップ運針)かを見分けられることもあります。
時計の内部に搭載された時計の心臓部ともいえる最も大切な「ムーブメント」は、大きく分けて電池で動く「クオーツ式」と、ゼンマイの力で動く「機械式(手巻き/自動巻き)」があります。
精度や寿命、メンテナンス費用にも大きく影響するため、時計選びの際には特に注目したいポイントです。
まとめ
腕時計は、いくつもの部品から成り立っています。
それぞれの部品が独自の役割を持ち、互いに調和することで1本の時計として完成します。
時計を選ぶ際には、各パーツの役割を知っておくことで、より深く時計の魅力を理解できます。
また、修理やメンテナンスの際にも、時計専門店とのコミュニケーションがよりスムーズになるでしょう。
特に高級腕時計は、定期的なメンテナンスによって長く使える一生物のアイテムです。
今回ご紹介した〝腕時計の部品と役割〟を、時計との付き合いにご活用ください。
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