ゼニスのムーブメント エルプリメロ

ブランド紹介
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スイスの高級時計ブランド ゼニス

その名前は英語で「天頂」を意味します。
ゼニスが開発した有名なムーブメント(時計の内部機械・針を動かすための動力源)にエルプリメロ(エスペラント語でナンバー1の意味)があります。
これは50年もの長きにわたり使用され、他社もその優秀さを認め、各有名ブランドがエルプリメロを搭載した時計を発売したほどのものです。

2022年の新作「デファイ スカイライン」にもエルプリメロの新ムーブメントを採用し、時計好きの間で話題となっています。
現在ではその名の通りエルプリメロこそナンバー1ムーブメントだと評価する人もいますが、このエルプリメロには波乱の多い運命が待っていました。

ここではエルプリメロを中心にして、ゼニス社のことをご紹介させていただきます。

ゼニスの創業

1865年天才時計技師ジョルジュ・ファーヴル=ジャコがスイスのル・ロックルで時計工場を始めたのが創業になります。
1900年懐中時計用ムーブメント「ゼニス」をパリ万博に出品。これが金賞を獲得し、1901年にゼニスを会社名にしました。

エルプリメロ発表とクオーツショック

1969年1月エルプリメロを発表。世界中でクロノグラフ(ストップウオッチ機能搭載の腕時計)の自動巻き化を成し遂げようとしていた中で、他社に先駆けて初めて自動式クロノグラフムーブメントを開発しました。(製品化は他社より遅れてこの年の9月になりましたが。)

しかし、同じ1969年の12月にセイコーが世界で初めて電池を動力源にするクオーツ式腕時計を発売し、ゼンマイで動く機械式時計に暗雲が立ち込めてきます。高精度で大量生産が可能になったクオーツ式腕時計は1970年代に入ると世界中に普及していきました。(クオーツショック)

機械式時計の製造停止と再開

クオーツウオッチは機械式時計産業に大打撃を与え、スイスの時計会社の多くが倒産・買収されます。ゼニスも1971年に経営危機となり、アメリカ企業に買収されました。
1973年には第1次オイルショックが起こり、売り上げの減少に拍車をかけます。そして1975年、経営陣はエルプリメロだけでなく、すべての機械式時計・機械式ムーブメント生産の中止を命じました。
しかし、機械式時計の明日を信じる人物がいました。それはエルプリメロ開発に最初から参加していた時計職人シャルル・ベルモです。彼は経営陣に反対し数百個の金型・工具・製図・仕様書を工房の屋根裏に隠し、時計の製造工程もノートに記録しておきました。
1978年再びゼニスは買収され、新たなオーナー企業は機械式時計の復活を考えていました。
1980年代になると職人の手作業による技や芸術性が見直され、機械式時計の需要が少しずつ回復してきました。
1982年にはエベル社とロレックス社からエルプリメロムーブメントを搭載したいと申し入れがあり、ゼニスはエルプリメロ製造再開を検討します。
が、一から作り直すと莫大な経費と時間がかかることから、いったん製造再開は困難と判断しました。しかしこの時ベルモが、隠していた設計図とすべての資料を会社に返却します。こうして1984年に製造再開が決定、エルプリメロは復活しました。機械式時計のよさを信じ、いつかまた世に出ることを頑に信じたベルモの勇気ある英断が、エルプリメロを救ったのでした。

エルプリメロの特徴

・36,000振動/時で0.1秒の計測可能
1時間に36,000回、時計の心臓部が振動します。1秒間なら10回です。(多くの機械式時計は1秒で8回)振動数が高いことにより精度が安定し、衝撃などによる不具合を出にくくしています。振動数が高いと部品摩耗・オイル切れが早いという耐久性の問題が出てきましたが、ゼニスでは組み立て作業時に特殊な潤滑油を用いることにより、そのリスクを回避しました。

デファイ エルプリメロ 21

ゼニスの人気シリーズにはクロノマスター、デファイ、エリート、パイロットがあります。そのなかでも今一番注目されているのはデファイでしょう。
デファイは「挑戦する」という意味で、堅くて丈夫なスポーツウオッチのシリーズです。

2017年「デファイ エルプリメロ 21」が発売。このムーブメントは0.01秒単位という細かい時間計測を可能にした「エルプリメロ9004」が搭載され、進化型クロノグラフとなりました。細かい歯車を使用するため、クロノグラフの調速脱進機を文字盤側、時刻用のゼンマイは裏蓋側に分けて搭載し、それぞれに合った振動を与えました。また、文字盤がスケルトン、裏蓋もシースルーのフルスケルトン仕様になっています。このように「エルプリメロ9004」の構造・動作を両面から見て楽しめることも、高い人気につながっています。

2018年にはスケルトンタイプではないデファイ エルプリメロ21もコレクションに追加されました。クロノグラフのインダイヤルが黒、ベース文字盤がサテン仕上げ(金属の表面に傷をつける加工法)で施され、スケルトンとは違ったこちらのタイプもゼニスの人気商品になりました。 

そして2022年、新作となる「デファイ スカイライン」が発売されました。硬質でシャープなデザインのケースに、見るからに堅牢なスポーティーなフォルム。9時位置に配置されたスモールセコンドには際立った特徴があり、通常60秒で1周するところを10秒で1周します。
裏蓋はシースルーになっており、美しいムーブメントを存分に堪能することができます。
ドレスウォッチのような端正な見た目とスポーティーさが合わさった、男女問わず惹かれるクールな時計です。

まとめ

ここではゼニスの歴史の内、エルプリメロのことをご紹介しました。
生涯に一個の高級腕時計をお探しの方は、エルプリメロ搭載の機械式腕時計にしてみてはいかがでしょうか。
またゼニスはエルプリメロを進化させているだけではなく、他の新しいことも手掛けています。次の機会に、またゼニスについて触れていきたいと思います。


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