「世界三大時計」はなぜこの3つ?理由を考察!

ブランド紹介
ブランド紹介時計豆知識

はじめに

高級腕時計といえば、みなさまどのブランドを連想しますか?ロレックス、オメガ、ブライトリング……様々なブランドがありますよね。

そんな高級腕時計の中でも、「世界三大時計」と謳われるブランドが存在します。

・パティックフィリップ

・オーデマピゲ

・ヴァシュロン・コンスタンタン

です。

なぜこの3ブランドが、数あるブランドの中でも世界三大時計と呼ばれるのでしょうか?

今回はこの3ブランドが「世界三大時計」と呼ばれる理由を探ってみたいと思います。

「世界三大時計」の根拠

パテックフィリップ、オーデマピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンが世界三大時計と呼ばれる理由は、様々に挙げられています。

歴史の長さ、技術力の高さ、高級ブランドであること、等々……。

しかし、歴史の長い時計ブランドや技術力の高さで知られるブランドは他にもあります。

この3社だけ別格として扱われるのは、おそらく次のような理由からではないでしょうか。

歴史が長い……だけじゃない!創業当時から変わらないスピリット

パテックフィリップ 1839年創業

パテックフィリップは当初から「世界最高の時計を作る」という信念を掲げ、高品質な時計を作り続けてきました。

品質の高さは折り紙つきで、工業製品に関する規定基準の中でも最も厳しい「ジュネーブシール」以上の独自基準「パテックフィリップ・シール」を設けて、世界一高品質な腕時計であることを証明しています。

世界大恐慌の影響で経営は創業一族から離れましたが、「世界最高の時計を作る」という信念は受け継がれ、事業売却の翌年にはドレスウォッチの名作「カラトラバ」が誕生しました。

オーデマピゲ 1875年創業

オーデマピゲは創業時と同じ場所で創業者一族による経営が続いているのが特徴です。

有名ブランドでは本社を移転したり、経営権が創業者以外に譲渡されたりということはよくあります。

そのため、1875年から変わらずスイスのル・ブラッシュに工房を構えるオーデマピゲには、他のブランド以上に伝統の厚みがあるのです。

ヴァシュロン・コンスタンタン 1755年創業

世界三大時計の中でも最も歴史があります。時計ブランドの中には、歴史は古くても途中で経営が苦しくなり時計製造を中止したり、パテック・フィリップのように経営権を譲渡したりしたところも多いです。

ヴァシュロン・コンスタンタンは一貫して自社経営で時計を作り続けており、そういった点でも別格のブランドと言えます。

先駆的な発明、ブームの先駆けを作った時計の製作

パテックフィリップ 現在のドレスウォッチのスタンダードを築く「カラトラバ」

出典:パテックフィリップ公式サイト
文字盤製造業者スターン兄弟により買収された翌年、1932年に誕生した「カラトラバ」は、現在に至るまでその形を変えていません。
そのクラシカルなスタイルは今日のラウンド型腕時計の模範となり、「ドレスウォッチの完成形」と称えられています。

オーデマピゲ 複雑機構の腕時計を複数開発

オーデマピゲは驚異的な技術力でも知られています。


1882年に「グランドコンプリカシオン懐中時計」を開発、自動的に音を鳴らして時を知らせる「ソヌリ」、ストップウォッチ用の秒針が2本重なって運針し、特別に取り付けられたスプリットボタンを押すとストップウォッチ用秒針のうち1本だけ止めることができる「スプリットセコンドクロノグラフ」などの複雑機構を複数搭載した世界初の時計を発表しました。


1892年には世界初のミニッツリピーター(一定時刻の経過を音で知らせてくれる機構)搭載腕時計を、1955年には同じく世界初となる閏年に対応したパーペチュアルカレンダー搭載の腕時計を発表し、世界を驚かせています。

ヴァシュロン・コンスタンタン 時計製造の工業化に貢献

1839年、ヴァシュロン・コンスタンタン社の時計職人ルショーがエボーシュ(ムーブメントのベース)を作るための工作機械を開発。
機械式時計のパーツを機械的に複写できる「パンタグラフ」という機器も開発したことで、手作業で製造していたパーツ類を高精度で複数生産できるようになり、時計製造の工業化が進みました。

こうした機械式時計の発展に尽力してきた長い歴史、時計作りへの強い信念とノウハウによって信頼と実績を積み上げ、顧客との絆を強くしたことで「世界三大時計」と謳われる強固なブランドが完成します。

こういった理由が合わさって、昔から今に至るまで「高級ブランド」というイメージが定着し、王侯貴族や各界の著名人といった一流の顧客にも恵まれ、高級時計の世界でも別格の雲上ブランドとして知られるようになったのです。

なぜロレックスは3大時計じゃないの?

いくら時計界で別格と言われている世界三大時計でも、一般的な知名度で言ったら間違いなくロレックスの方が上です。
ロレックスも画期的な発明をしているし、自社一貫生産のマニュファクチュールで技術も高いのに、なぜ世界三大時計にカウントされないの?という疑問が浮かびます。

世界三大時計に入らない理由は主に2つ。他ブランドと比べると歴史が浅いこと、創業当時から一貫して「実用時計」を作っていること、が考えられます。


ロレックスの創業は1905年。世界三大時計と比べると、歴史が浅いと言わざるを得ません。
また、ロレックスは一流の高級時計ではありますが、高級品としてではなく「究極の実用時計」として時計を作っています。それは創業当初から今もずっと変わらないブランドのコンセプトです。
そのためロレックスは世界三大時計に含まれない、とされています。

世界三大時計の一番人気なモデルたち

最後に、それぞれのブランドから人気モデルや最新作をご紹介します。

各ブランドの代表モデルについてはリンクの記事をご覧ください。

パテックフィリップ 

ノーチラス5711/1A-010

出典:パテックフィリップ公式サイト
※こちらはノーチラスの別モデルです

パテックフィリップの人気モデルといえば、スタンダードな青文字盤の
「ノーチラス5711/1A-010」
1976年から続くノーチラスの現行モデルです。
ケース厚8.3mmと薄型ながら120mの防水性を実現し、海底二万里の潜水艦ノーチラスの名を体現しています。
なだらかなカーブを描く八角形のケースと左右の突起が特徴的で、ステンレスの素材も相まってスポーティーかつ上品な佇まいです。
これが仕立ての良いスーツの袖から覗いていたら、一目で信用してしまいそうなステータスの高さを感じさせますね。
定価はなんと3,872万円。需要の高さに反して供給が極めて少ないことから中古価格でも1,000万円程度する、さすがの高値です。


ちなみに、2020年にはホワイト文字盤が生産終了、21年にはブラックブルー文字盤も生産終了、ついに22年にはローズゴールド製のRef.5711もカタログから姿を消しました。
初代ノーチラスを受け継ぐ.5711/1Aは生産終了したようで、今後もますます価格高騰が予想されます。


パテックフィリップの歴史や代表モデルについてはこちら→世界三大時計②パテックフィリップ

オーデマピゲ

ロイヤルオーク エクストラシン 「ジャンボ」

出典:オーデマ・ピゲ公式サイト

1972年に誕生したラグジュアリースポーツウォッチの元祖「ロイヤルオーク」は、2022年に50周年を迎えました。

記念すべき50周年を飾る新作モデルの一つが、ロイヤルオーク エクストラシン 「ジャンボ」です。

ロイヤルオークエクストラシンは初代ロイヤルオークRef.5402STを踏襲したスペシャルモデルで、歴代モデルで変化した要素を変更し、初代に忠実にしたモデルです。

近年では品薄による相場高騰で入手困難なモデルとなっています。

そんなロイヤルオークエクストラシン「ジャンボ」の新作は何が変わったか。

デザインは人気の初代を受け継いでいますが、ムーブメントが新しく置き換わりました。

テンプの振動数が増えたことでより精度が増し、一度ゼンマイを巻いてからの稼働時間パワーリザーブは40時間から55時間へ延長されています。

内部パーツの耐久性や耐摩耗性も向上しました。

こうしたアップデートによって、ムーブメントのサイズは以前よりわずかに大型化しましたが、ケースサイズ・厚みは変わらないというのがさすがの技術です。

定価は814万円となっています。

オーデマピゲの歴史や代表モデルはこちら→世界三大時計①オーデマ・ピゲ

ヴァシュロン・コンスタンタン

オーヴァーシーズ 4500V/110A-B128

出典:ヴァシュロン・コンスタンタン公式サイト

上記で紹介したノーチラス、ロイヤルオークと並び、ラグジュアリースポーツウォッチとして人気の高いのが「オーヴァーシーズ」

このモデルは2016年に発表された3代目にあたります。

ブランドのロゴであるマルタ十字を模したベゼル、ブレスレットが特徴的です。ブレスレットからラバーやレザーストラップへの交換も可能で、テイストを変えて装うこともできますね。

シンプルな三針で、ケースサイズは41mm、シーンを選ばず身につけられる普段使いしやすいデザインとなっています。

定価は222万2千円、中古価格は738万円と、よほどの方でなければ普段使いできるお値段ではありませんが……。

時計の世界は天井知らず、ということですね。

ヴァシュロン・コンスタンタンの歴史や代表モデルはこちら→世界三大時計その③ヴァシュロン・コンスタンタン


時計修理の近江屋では高級時計、アンティーク時計、ヴィンテージ時計の他、掛け時計など腕時計を中心に幅広く時計修理を承っております。

高級時計の王道である「ロレックス」や「ロレックスのアンティーク時計」も数多く修理してきた実績も抱えております。
その他、カルティエ、オメガ、タグホイヤー、エルメス、IWC、ヴァシュロン・コンスタンタン、ジャガールクルト、ダンヒル、パネライ、ピアジェ、ボーム&メルシェ、ロジェ・デュブイ、ウブロ、ゼニス、グラスヒュッテ、ジャケ・ドロー、ティソ、ハミルトン、ブランパン、ブレゲ、ラドー、ロンジン、ショパール、ハリーウィンストンなど、長年培ってきた技術で、どんな古い時計でも、どんなブランドでも修理を承ります。

部品がない、部品が生産されていないなど、アンティークやヴィンテージなどの古い時計の修理もお任せ下さい。

名古屋市昭和区にある時計修理サロンの他、百貨店事業部として百貨店様の時計修理コーナーでも高級ブランドの時計修理も承っております。
名古屋で信頼できる時計修理のお店をお探しの方は、ぜひ近江屋までお気軽にご相談ください。

タイトルとURLをコピーしました

Recruit.

時計専門の修理事業を営む当社にて、
時計修理業務をご担当いただきます。

   

Contact.

当社へのご質問、ご要望、ご相談等ございましたら、
お電話またはお問合せフォームにてご連絡ください。