アンティーク&ヴィンテージの腕時計 ~あなたの好きなタイプはどれですか?~(後編)

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はじめに

前編では、アンティーク&ヴィンテージ時計の魅力などについてお話しました。

「アンティーク&ヴィンテージの腕時計 ~あなたの好きなタイプはどれですか?~(前編)」 

この後編では、スポーツウォッチとドレスウォッチという2つのタイプ別に、アンティーク&ヴィンテ―ジ時計をみていこうと思います。

腕時計のアンティーク&ヴィンテージ

時計の世界では、腕時計について1970年代より前に製造されたものをアンティーク、それより後に製造されたものをヴィンテージと呼ぶことがあります。
しかし、明確な言葉の定義はないため、アンティークで統一されている場合、ヴィンテージで統一されている場合、どちらも使用している場合と、取扱いショップなどによって表記や呼び方は様々です。

1970年代に登場したクォーツ時計(電池式)の前は、機械式時計(ゼンマイ式)が主流でした。機械式時計には、手巻きと自動巻きの2種類があります。
現在も人気のある機械式時計ですが、自分の手で巻き上げるものか、自動で巻き上がるものか、好みが分かれるかもしれませんね。

2つの系統、スポーツウォッチとドレスウォッチ

腕時計の系統は大きく分けて、実用性や機能性を求めて発展したスポーツウォッチと、伝統的な時計の流れを継いだドレスウォッチがあります。

ここからは、アンティーク&ヴィンテージでも人気の高いブランドをいくつかご紹介します。

【実用的+多機能「スポーツウォッチ」】

デザインが豊富で、カジュアルやスポーティーなファッションにも合わせやすいスポーツウォッチ。

ダイバーズウオッチ、パイロットウォッチ、レーシングウォッチ、ミリタリーウォッチ……とタイプも幅広く、用途に合わせて様々な機能が搭載されています。

●ロレックス

出展:ロレックスの歴史:1953 – 1967 (rolex.com)より 「デイトナ」

1953年登場の「サブマリーナ」・「エクスプローラー」、1963年誕生の「デイトナ」など現行品にもファンが多いロレックス。投資人気も重なり、日本では正規販売店を巡って品薄のモデルを探すロレックスマラソンという言葉もあるほど。
アンティーク市場では、現行品と同じく「デイトナ」や「サブマリーナ」などスポーツモデルが特に人気のため、価格が高騰し手に入れにくいものも。

●オメガ

出展:1957年:オメガ プロフェッショナル ウォッチ | OMEGA JA® (omegawatches.jp)より

(左)「スピードマスター」(中)「シーマスター」(右)「レイルマスター」

1948年に誕生した「シーマスター」、1957年に登場した「スピードマスター」・「レイルマスター」などで知られるオメガ。
老舗ブランドとして人気がありますが、古い時代から高品質の製品を数多く生産していたため、アンティーク&ヴィンテージの時計でも比較的手に入りやすい傾向があります。

●代表的な人気ブランド・モデル

1904年に世界初の男性用腕時計として誕生したカルティエ「サントス」、世界三大時計ブランドのオーデマピゲ(1972年登場「ロイヤルオーク」)やパテックフィリップ(1976年登場「ノーチラス」)など

【伝統の品格「ドレスウォッチ」】

スーツやジャケットに似合う時計として人気のドレスウォッチ。フォーマルな場には欠かせません。
現在ではビジネスシーンやラフな服装に合わせるなど、普段使いされる方も増えていますね。
スポーツウォッチと使い分けている方も多いのではないでしょうか。

●パテックフィリップ

出展:Patek Philippe | パテック フィリップ | 会社 | 歴史より 「カラトラバ」

1932年の誕生から変わらないクラシカルなデザインの「カラトラバ」。ラウンド型のシンプルで上品なこの時計は「ドレスウォッチの完成形」と呼ばれています。
パテックフィリップは世界三大時計ブランドのひとつ。資産として子孫代々、受け継ぐことが可能な品質・価値の高い時計を製作しています。
どのモデルも元々の生産本数が少ないため、アンティーク市場でも価格が高騰しているブランドです。

●カルティエ

出展:スタイル (cartier.jp)より 「タンク」

カルティエの代表的なドレスウォッチである「タンク」は1917年に誕生したレクタンギュラー(長方形)の腕時計。タンク登場の前に流行っていたアール・ヌーボー様式(曲線が主体)とは対照的な、アール・デコ様式(直線的なデザイン)が特徴です。
様々なシリーズがあるタンクは、アンティーク&ヴィンテージでも、男女ともに人気のあるモデルです。

●代表的な人気ブランド・モデル

1945年誕生・ロレックス「デイトジャスト」、1952年誕生・オメガ「コンステレーション」、世界三大時計ブランドであるヴァシュロン・コンスタンタンのアンティークモデル(※)など。(※)2004年に登場する人気モデル「パトリモニー」は、1950年代のドレスウォッチのリバイバル

スポーツウォッチもドレスウォッチも、現行品の定番モデルはアンティーク&ヴィンテージ人気も高いです。モデルによってはプレミア価格となっている場合もありますが、現行品よりお値打ちに購入できるものもあります。
希少なもの、人と違うデザインのものを手に入れるチャンスがあるのはアンティーク&ヴィンテージならでは。
ご興味のある方は探してみてはいかがでしょうか。

廃盤モデルとアンティーク&ヴィンテージ

最後に、以前お客様からお預かりし当店で修理を行った腕時計のお話を。

こちらはカルティエ「マストタンク ヴェルメイユ」。

1976年にリリースされた「マストタンク」はタンクシリーズのひとつとして人気がありましたが、残念ながら2004年に廃盤となっています。
2021年には復刻版「タンク マスト」が発売されましたが、廃盤前のモデルは中古市場でしか流通していません。
廃盤モデルに巡り合う可能性があるのもアンティーク&ヴィンテージの魅力のひとつ。
お手持ちの腕時計が、これから年月が経ってヴィンテージやアンティークとなり、価値が上がっていくというパターンもありますね。

▶修理の様子はこちら「実績紹介㉝カルティエ マストタンク ヴェルメイユの分解掃除」 

まとめ

今回ご紹介したのは一部になりますが、アンティーク&ヴィンテージの人気ブランドや人気モデルは数多くあります。
歴史のあるものは、腕時計に限らず時代背景も考えてみると興味深いですよね。
現在も、腕時計は性別・年齢を問わずファッションの一部として親しまれています。
使うシーンに合わせるか服装に合わせるか、実用性をとるかデザイン性をとるか、ブランドで探すのか特定モデルを探すのか……好みのタイプをあれこれ考えてみるのも楽しいのではないでしょうか。

もしお手元に止まっている時計があるという方、譲り受けたものを修理したい方、興味がありご自分で使ってみたい方……アンティーク&ヴィンテージの時計は修理や定期メンテナンス(オーバーホール)を行えば使い続けることが可能です。

当店にご依頼のあったお客様の時計の修理・オーバーホールの過程や調整の様子もご覧いただけます。
「実績紹介」 

「腕時計のオーバーホールのタイミングは?期間、金額は?」


時計修理の近江屋では高級時計、アンティーク時計、ヴィンテージ時計の他、掛け時計など腕時計を中心に幅広く時計修理を承っております。

高級時計の王道である「ロレックス」や「ロレックスのアンティーク時計」も数多く修理してきた実績も抱えております。
その他、カルティエ、オメガ、タグホイヤー、エルメス、IWC、ヴァシュロン・コンスタンタン、ジャガールクルト、ダンヒル、パネライ、ピアジェ、ボーム&メルシェ、ロジェ・デュブイ、ウブロ、ゼニス、グラスヒュッテ、ジャケ・ドロー、ティソ、ハミルトン、ブランパン、ブレゲ、ラドー、ロンジン、ショパール、ハリーウィンストンなど、長年培ってきた技術で、どんな古い時計でも、どんなブランドでも修理を承ります。

部品がない、部品が生産されていないなど、アンティークやヴィンテージなどの古い時計の修理もお任せ下さい。

名古屋市昭和区にある時計修理サロンの他、百貨店事業部として百貨店様の時計修理コーナーでも高級ブランドの時計修理も承っております。
名古屋で信頼できる時計修理のお店をお探しの方は、ぜひ近江屋までお気軽にご相談ください。

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