はじめに
2022年9月1日に、一律7％の値上げを行ったロレックス。価格改定前からロレックスの価値は高く、2016年以降からは特に買い取り価格が高騰してきました。
高い価値や人気から、デイトナなどのモデルは入手困難になり「ロレックスマラソン」という言葉があるほどです。
今回は今までのロレックスの相場や、なぜロレックスは高い価値があるのかを調べて、今後の価格動向について考えてみたいと思います。
ロレックスはなぜ価格高騰したの？
定価での入手が困難なことで有名な、コスモグラフ デイトナ116500LNの定価は1,720,400円。
しかし直近の価格を見ると最安値でも5,139,850円、300万円以上も高くなっています。
デイトナは特に価格高騰の激しいモデルですが、人気のモデルは軒並み定価以上の値段で取引されています。
なぜ価格高騰したのか、主な理由を解説します。
供給不足
まず価格高騰の理由として挙げられるのは「品薄と供給不足」です。
現在では再開していますが、一時期は新型コロナウイルスの影響でロレックスの生産国であるスイスの工場が閉鎖され生産数が減りました。
人やモノの往来が制限され、工場で働く人が国境を越えて働きに行けないなどの影響も出て、パーツの製造や人員の確保が難しい状況になり原価も高騰。
さらに国内への輸入もできなくなったことから、ロレックスの時計は世界的に品薄となって需要が上回り、価格が高騰したと考えられます。
高い需要
一方で新型コロナウイルスは需要の増加にも影響しました。
コロナ禍によってレジャーや外食などにお金を使えなくなった分が高級時計市場に流れてきて、2021年からは高級時計ブームが発生し、それまで高級時計に馴染みがなかった人にも購買層が拡大。
名古屋市では市内の百貨店の高級時計売り場が拡大し、高級時計ブランドのブティックの出店も相次ぎます。6月にはパティックフィリップが三越に、7月にはランゲアンドゾーネが松坂屋に出店しました。
元々の世界的人気による需要に高級時計ブームによる需要も加わって、コロナ禍であってもロレックスの価格は上がっていきました。
また、資産価値の高さから投資目的で購入する方、定価以上の価値があることから転売目的で購入する方なども増加したことで相場が高騰したようです。
新作発表に伴う生産終了の可能性
高騰の要員の一つとして3月の新作発表が挙げられます。
新作発表と同時に生産終了もわかるため、生産終了後の高騰を予想して購入する方がいます。そのため人気が高く生産終了が噂されるモデルは3月までに価格が高騰する傾向があるのです。
こちらは実際に今年の新作発表に従い生産終了したシードゥエラー ディープシーの価格推移ですが、1月から3月までに上がっていき、生産終了が判明した頃にグッと上昇しました。
他にも資産価値の高さからロレックスを求める人が多いこと、腕時計の完成度の高さから純粋に人気があり多くの人が欲しがっていることなど、様々な理由から高騰が続いています。
今後のロレックス、価格はどうなる？
価格高騰が続いて久しいロレックスですが、8月に入ってからは相場の下落も話題になりました。
実際に1年のスパンで見てみると、2月の7,399,900円のピーク後は緩やかに下落しています。
理由の一つとして、中国経済の暴落によって中国でロレックスなどの高級腕時計を手放す人が増え、中国市場にロレックスの在庫が余って価格が下がったという情勢があります。
日本国内の時計相場は買い取り価格を基に決められるのが一般的で、買い取り価格に大きく影響するのは海外の時計相場です。
中国市場は世界的なビッグマーケットなので日本国内での買い取り価格にも影響があり、投資としてロレックスを保有している層が相場の下落により時計中古市場から離れ、大量の「売り」が発生し暴落に繋がったと思われます。
他にも、渡航や旅行の制限が緩和されてきたため、以前は使い道が狭まり時計市場に流れていたお金が動いたこと、スイスの時計生産のペースも回復してきて、時計の供給数が安定したことなども価格の下落に影響しているのではないでしょうか。
問題はこの後ロレックスの価格はどうなるかですが、今後は価格上昇がおさまるだろうという見方と、下落は一時的でロレックス相場が今後下がる要因はあまりないのではないかという見方があり、何とも言えません。
ただ、「価格が落ち着いてきた今が買い時」とは言えるかもしれません。そもそも人気の高いモデルは見かけた時が買い時と言われていますし、それに加えて相場が落ち着いてきた今は絶好のチャンス。
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